労災互助会における最近の支払い事例

ここでは、各補償ごとの最近の支払い件数、支払額、実際の事故例などをご紹介します。

 

 

工事遂行中の対人・対物事故(第三者賠償補償)

 

建設工事中に発生した事故によって、第三者への身体障害または財物損壊が発生した場合に、企業は法律上損害賠償責任を負うことになります。

たとえば、ビルの建設工事中に鉄材を落下させてしまい、たまたま下を通行していた人にあたって死亡事故を起こしてしまったような場合です。

 

 

【支払件数と支払い総額】

 

事故事例 支払額
塗装作業に際してシンナーを用いて古い塗装をはがす作業中、何らかの原因でシンナーへ引火し火災となった。施工方法などから賠償責任が認められた。 2億7,900万円
作業終了後、塗料の付着した道具を洗浄した水が予期せず水路へ流れ込み、水路を汚損させてしまった。 432万円
店舗建物の屋根の防水工事の際、養生の不備から降雨により雨漏れが発生。建物、設備、什器等が水濡れ損となった。 3,650万円
土木工事に際し道路へ掘削した穴へ、自転車走行中通行人が転落し、後遺障害1級相当の障害を負い、訴訟となり過失相殺のうえ控訴審で示談となった。 3,300万円
新築建物を引渡し、2年後に出火、建物オーナーの什器類などを焼損した。火災保険会社より損害賠償請求(代位求償)を提訴され、電気工事の瑕疵により出火したことが原因として法律上の賠償責任を認める判決があったもの。(ワイド補償ご加入なく 建物の損害は免責) 3,180万円
住宅建物2階水道栓の工事を行い引き渡し後、接続不良のため漏水が生じ、建物2階床、1階天井・壁、その外家財等へ水濡れ損害が生じた。 2,455万円
バックホーを用いトラックへ敷鉄板を積み込む際、バックホーの操作を誤り鉄板がトラック運転手へ当たり負傷させる。 2,226万円
大規模施設建築現場で、下請け従業員が、誤って資材を落とし、異なる請負系列の他社従業員の頭部に当たり負傷させ、政府労災で後遺障害が認定された。被害者代理人弁護士より政府労災等での支給額を上回る損害について損害賠償請求を受けた。 1,200万円
造成地にて土砂内でレンタルしていた自走可能建設用工作車で作業中、地盤が思いの外ゆるく、建設用工作車が土砂に埋まり全損となった。 885万円
レンタルしたバックホーを用い土留用パイルの撤去作業中、地盤が堅固でなかったためにバックホーが横転・破損したもの。 390万円
土地の掘削作業中、隣地のブロック塀が倒れ、破損する。
※地盤崩壊危険担保特約ご加入有
88.2万円
養魚場施設内ポンプ設置工事のために掘削工事中、横の養殖用水槽の土台が崩れ、水槽が破損したほか、水槽内無菌水が流出するなど被害を及ぼした。
※地盤崩壊危険担保特約ご加入有
2,000万円

※上記は事例であり、実際の事故によってお支払保険金の額は異なります。

 

 

 

 

建設資材や仮設物・支給材料などの損害(建築・土木・組立工事補償)

 

現場で起きた突然の事故や火災・落雷などが原因で建設中の建物や設備に損害を受けることがあります。こんな場合、事故が起きる前の元の状態に戻すための費用やその復旧にかかる費用が必要です。

 

 

 

 

【支払件数と支払い総額】

 

 

 

事故事例 支払額
【事故日】2015年9月

住宅新築工事で、近くの河川が氾濫し引き渡し直前の家屋が床上まで浸水した。

198.1万円
【事故日】2015年7月

中学校の校舎新築工事で、2階部分の生コン打ちをする際、型枠を支える足場が倒壊し建築中の建物を壊した。

1,700万円
【事故日】2015年9月

台風の強風で、漁港の加工施設建設現場の資材が破損した。

434.1万円
【事故日】2015年9月

台風に伴う大雨で上流から土石流が発生し、施工箇所に流入した。

815.2万円
【事故日】2015年9月

集中豪雨に伴う用水路の増水で道路工事現場が流された。

488万円
【事故日】2016年1月

圃場整備工事で、集中豪雨により建設中の擁壁が崩れた。

528.6万円
【事故日】2015年9月

台風による大雨で太陽光発電所組立現場の斜面が崩れ土砂で埋まった。

1,003万円
【事故日】2016年2月

太陽光発電所組立現場で送電用ケーブルを盗まれた。

273.1万円
【事故日】2015年9月

大雨で工事中のポンプが水没した。

41.4万円

※上記は事例であり、実際の事故によってお支払保険金の額は異なります。

 

 

 

建設作業中の労災事故、死亡・けが(労災上積み補償)

 

建設作業中の事故は最もリスクが高いと言えるでしょう。どんなに気を付けていても事故によって従業員がけがをしてしまうことは起こりえます。

 

 

 

 

事故事例 支払額
資材置場で、解体した鉄骨廃材をユニックを用いてトラック荷台に積み込む際、廃材がバランスをくずし被災者顔面へ落下し、死亡。 5,000万円
河川災害復旧工事にて、土嚢を積み込む作業中、足を滑らし深みにはまり溺れて死亡。 5,100万円
3階建てアパート屋上防水改修作業中、屋上から転落し死亡。 1,700万円
残土処理中、ブルドーザーをアイドリング状態で停止させキャタピラー上に立っていたところブルドーザーが動きだしキャタピラーに挟まれ死亡。
900万円
クレーン付きバックホーを使用し土嚢をダンプカーに積み込み中、荷台で積荷の誘導を行っていた担当者が荷台から転落し、脊髄損傷などを負った。 3,035万円
2名で土嚢をタンクへ投入作業中、タンク内の作業員がタンク外へ出たと判断し機械操作したところ、まだ半身タンク内にあった作業員が挟まれた。 1,220万円
作業中ユニックで吊っていた木が落ちてきて頚椎損傷を負った。 2,600万円
掘削現場の埋戻し作業中、パワーシャベルに足を踏まれ、足首の開放骨折などを負った。 620万円
5尺脚立より背中から転落し骨折。約3か月入院13か月休業となる。 209万円
屋根工事中、前日の雪解け水で足を滑らせたため跳びながら隣地に着地したところ、木の根があり踵骨等を骨折し1か月以上の入院、半年以上の休業となった。 101万円
昇進に伴う業務変更、長時間勤務により業務上の負荷が増加することにより精神疾患に罹患し自殺に至ったもの。 2,500万円

※上記は事例であり、実際の事故によってお支払保険金の額は異なります。

 

 

 


 

増加続ける過労死や精神障害(新労災(傷害プラン)補償)

 

長時間労働などによる過労自殺など、精神障害による労災認定は近年増加し続けています。このような労災事故が発生すると、企業側には過度の疲労や心理的負担をかけて従業員の心身健康を損なうことがないように注意していたかどうかを問われ、遺族からの損害賠償請求を受けることになってしまうことがあります。

 

 

 


 

 

 

労災互助会補償制度のパンフレット

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 担当者紹介

大森 雅裕

広島県呉市仁方出身、1男2女のイクメンパパ。1973年生まれ、呉市仁方で生まれ育ち小学校時代は仁方B、中学時代は野球部そして高校ではバドミントンと、スポーツに明け暮れていたスポーツ少年でした。

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